2024年 活動報告詳細

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   4月   22日(月)   奇跡を起こす目標の立て方【原田メソッド】

企業で、また個人としても利用できる目標達成の手法をご紹介します。

米国メジャーリーグで大活躍の大谷翔平選手が、花巻東高校一年生の時に書いた「目標達成マンダラチャート(右図)」が有名ですが、このチャートは【原田メソッド】の実践に用いられる1ツールでもあります。

 

1.原田メソッド(原田隆史氏の考案)の基本的な考え方

◇夢や理想は、言葉に出し紙に書き出すことで具体化する。

人は思考し、それを実現するために行動する。思考したことは、言葉に出し、書き出すことで目標が具体化され、実現に動き出すための行動力となる。

 

◇原田メソッドは目標設定とそれを実現するための手法であり、その主要ツールとして、

①オープンウィンドウ64(マンダラチャート)

②長期目的・目標設定シート、

③ルーチンチェック表、

④日誌 等がある。

 

◇その中で、今回は大谷選手でおなじみの「オープンウィンドウ64」につき、作成に際しての注意点・要点をご紹介します。

 

 

2.オープンウィンドウ64

◇目標およびそれを達成するために必要な要素を1ページに可視化。全体像は把握しやすいが、スペースが限られ定量的な表現がしにくい。


◇基本的な2つの考え方(右図参照)

基礎思考->4視点(心・技・体・生活)が隈なく含まれるような抽象的な表現要素

例)ご来店頻度アップ(技)

実践思考(アクション)->活動場面がイメージできる具体的な視点で表現

例)毎日、Aエリアにポスティングを100件行う。

毎月、ホットペッパーに公告を掲載する。

 

3.大谷選手の作成例(事例)を見る

①目標設定->長期目的・目標設定シート(上図②)にて事前に決め、中心に記載。

事例)「プロ野球ドラフトで1位指名を8球団から受ける」

②基礎思考->目標達成に必要と考える8要素を中心の周りに記載。

心・技・体・生活の4視点から決める。

事例)コントロール、キレ、スピード、変化球、運、人間性、メンタル、体づくり

ご参考:8要素の個々が4視点(心・技・体・生活)のどれに該当するのかを明示できるとよい。

③実践思考(アクション)->8つの基礎思考要素ごとに、個々の周りに8要素を記載。

現実にイメージできる行動(アクション)を表現する。

 

4.実際の作成手順

目標設定はできているとの前提で、基本思考要素:8個、実践思考要素:8×8=64個をポストイットに書き込みながら抽出する。このような作業は一般的に時間が無制限(4時間くらいは当たり前)にかかりがちです。そこで、効率的に作成する方法として、時間制限(タイマーセット)下での作成を推奨します。

 

⓪チャートの台紙(A3、手書きで枠取り)を準備する。

①基本思考要素(8個) :5分のタイマーセットにて、ポストイットに記載していく。10個ほどを記載できることがベター。8個に満たない場合には追加する。

②基本思考要素の抽出と優先順位付け :5分のタイマーセットにて、最優先(上段中央)から右回りに8個を優先順位順に選択。

台紙に貼り付ける。

③実践思考要素(64個) :個々の基本思考要素ごとに5分のタイマーセットにて、ポストイットに記載していく。10個ほどを記載できることがベター。

8個に満たない場合でも構わず続ける。要素が他の基本思考要素のものと重なっても構わない。

④実践思考要素の抽出と優先順位付け :5分のタイマーセットにて、最優先(上段中央)から右回りに8個を優先順位順に選択。

残りの基本思考要素においても同様に繰り返す。

⑤一通りの作業が終わったら、全体(心・技・体・生活の4視点、表現等)を調整する。要素の重複が気になる場合には、修正を加える。

この方法で作成した場合でも、全体案を作成するのに90分、仕上として、Excel等に転写することを考えると2時間は必要となります。

 

文責:ベストブレーン浜松 後藤泰山   

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   3月   21日(木)   業務分析と職務規定書

中小企業の問題解決の依頼を受けることが多くなりました。私の未経験の業種からも依頼があり、業務の問題解決を図ることもある。

今回はある食品加工事業者からの依頼で業務の見える化と組織の責任と権限について取り組んだ。

 

【業務分析】

 依頼先からの問題意識は業務の効率化と情報システムの有効性について確認したいということであった。食品業界については詳しくない為に私の勉強と依頼主の現状認識の為に業務分析を実施した。業務分析の方法として事業内容について業務運営を中心に3レベルに分けて深掘りを行なう方法を用いた。

 レベル1機能分析

 会社の機能としてどのような枠組みで運用されているか、一般用語で誰でも理解できる内容で記述した。

 まずは各小売店からの注文を受付て生産計画を立案し、直近の計画より材料の所要量計算を行ない、材料の発注を行なうと共に生産現場への作業指示を行なう。材料の仕入れ実績と製品の出来高より在庫管理を行ない、納期に合わせて製品在庫を引当て出荷する。実績を基に原価管理を行なっている。業務運営に必要なマスタデータの管理を行なっている。

 レベル2業務分析

レベル1で把握した各機能についてどのように運営されているかを分析し、一段レベルを掘り下げていく。

1機能を遂行するのにケースバイケースで幾つも業務に分かれており、それらを日常業務の中で各担当者が遂行している。

 レベル3 仕事

 各業務を遂行するためには手順があり、その一つ一つを仕事と位置付け定義していく。

 例えば、受注機能の通販注文について、受注を受付けてシステムに注文登録、注文変更を受付、納期回答、注文キャンセルを処理する仕事がある。それぞれの仕事の内容を分析し、まとめている。

 

このようにして業務分析の結果をレベル構造で現すことによって業務の見える化を図る。

分析の途中で担当者、経営者との話し合いを持ち、どのように業務運営を行なっているか相互理解を深めていくことができた。その過程において、

 ・何でこんな運用になっているか

 ・誰がこんな運用にしたか

等、今般国会での質疑応答のような議論がなされていたが、肝心にことはこれらの分析を通じ、どの部分が非効率なのか、どのように改善を図るかがポイントである。

例えば、受注部門が注文の種類別に分散していたので、受注部門の一本化を図り集中化したり、材料の発注が工場単位に分かれていたが、材料発注のEDI化を図る本社で集中購買化することにした。

 

【職務規定書】

 今回の業務分析を進める中で経営者・現場管理者と会議を行なったが、会議中に参加者の発言から会社の業務運営に関わる責任と権限が不明確であり、誰が決めたのか、なぜこのようにしたのかといろいろな意見があった。

 中小企業にありがちな役割分担が明確でなく、結果について誰が責任を持つのか不明確で日常の業務が行なわれている。また、組織図は存在しているが、組織図の中の担当課長が空席になっているような幽霊部署が存在している。その部署には担当者は存在しており、担当者任せで業務が運用されているケースもある。そのような状況下では問題が発生した場合、誰が責任を持って対応するか不明確であるため、経営層に図って「職務規定」の定義を行ない、責任と権限の明確化を行なうことした。「職務規定書」は組織変更に対応して改訂されるように総務部門に担当してもらい、新入社員の研修時、社員の異動時の引継ぎ、問題が発生した場合は対策部門の明確化に活用することにした。

 

職務規定書の内容について

1.職位 記述する職務規定書の職位

2.責任役割期待効果 職位の担当責任と会社への貢献内容を表す

3.職務内容詳細 担当業務の内容を記述

4.職務権限 業務を遂行する上での六つの骨格(人、金、モノ、設備、注文、情報)についてとの

ような権限を有するか記述

5.会議 参加する会議を記述し、主催者か参加者か明確にする

6.食品衛生 食品加工業者として重要に食品衛生への関与を表す

7.安全衛生 会社の安全衛生への関わりを表す

8.災害時危機管理 災害時の対応内容を記述

以上の内容を職務規定書で表すようにした。

会社の8部門について担当者へのヒアリング、管理職の確認を得て全て記述し、総務部門に引き渡した。

 

ダウンロード
業務分析と職務規定書(参考資料).pdf
PDFファイル 1.1 MB

合同会社ベストブレーン浜松 小野 哲  

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   3月   18日(月)   支援開始前に「企業さまに納得いただける支援方法」をプレゼンさせて頂きました。

1.企  業: 樹脂成型品製造 (45名)

2.テ  ー  マ: 経営改善 (収益構造改革と生産性向上)

3.支援体制: 3人体制によるチームコンサル (経営全般1名、生産性改善1名、ITシステム動作分析1名)

4.プレゼンを実施した経緯

当該企業様は5年間に亘って経営改善に奮闘されてきました。しかしながら、昨今の「自動車業界の低迷」により、思うような成果が得られませんでした。そこで我々に声がかかったわけですが、現状をお聞きすると、どの中小企業に見られるように「改善に関わる人材不足」がありました。 従業員の方々は限られた人材の中で日々の業務に追われ改善に関わる時間がないのです。 このため社長さんは改善に躊躇されていました。

 

5.社長様の悩みを解決するプレゼン

私たちは3つのことを考えました。

① 社長さんが納得して取り組んでいただけるように「我々の改善内容と期待する効果」を予めイメージ提供すること。 

② 調査分析にできるだけ企業さまの負荷をかけないように「ITの計測・分析ツール」を屈指すること。 

③ 外部関係機関(4機関)と歩調を合わせ「改善に必要な時間と支援」に協力して頂けるようにすること。

これらを、資料や動画を使ってプレゼンをさせて頂きました。結果、参加者全員に賛同して頂きスタートできるようになりました。

 

6.BBHならではの活動

多くの企業さまが「経営改善」をうまく進められないのは、やり切る力がないことによるものです。 改善には、多くの時間と労力が付きものです。これを乗り越えないと結果はでません。 ところがこれが大変難しいのが現実です。 このことに、どれだけ寄り添えることができるかがコンサルタントとして必要になります。 私たちは、これを「チームコンサル」と「ITの力」で寄り添っていきたいと思っています。


文責: BBH代表 大石勝美  

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   2月   16日(金)   中小企業のDX推進の課題と取組みのヒント

中小企業がDX化を推進するに当たりその課題と取組み方について簡単にまとめてみました。

◆DX化と取り組み手順

 DX化というのは単にIT化することではありません。経済産業省の定義を引用すると「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」とあります。

 DX化の取り組み手順を右図に示しますが、最終目標は経産省の定義の内容だとしてもまず『着眼大局着手小局』の観点から自社の経営戦略を明確にした上で、できることから始めることが重要です。

 

◆デジタル人材の不足

 DXを推進するためには専門知識を持つ人材が必要ですが、中小企業は情報システム部門や専門人材を持つことは難しい面があります。その対策としては必要な技術スキルを持つ外部の専門家やコンサルタントに一定期間の支援を依頼することで企業内に技術的なノウハウを導入できます。但し、外部人材にすべてを任せるのではなく、DX化の企画検討や導入過程に社員が参画し、システム導入後は社内人材だけで運用する人材を育て体制を整えることが重要です。

 

◆がんじがらめのExcelからの脱却

 卑近な例として、Excelの得意な社員に社内業務のデータ収集や集計処理をまかせ、経営幹部が次々と追加機能を要求することで肥大化し、担当社員にしか対応できない属人的な仕組みになっている例が見受けられます。さらに共有化のために社内サーバーで利用することでちょっとした操作ミス等で計算式やマクロが機能しなくなり、担当者がほぼ日常的に対応に追われることが発生しています。この状態から脱却することが重要です。

 

◆クラウドアプリの活用

 また例えば個別案件受注型の事業において、その予実績管理や業務進捗・日程管理をExcelで処理し、前述のがんじがらめになっている例があります。これらの業務は管理する内容や必要な機能は事業分野別でみれば大部分が共通であり、現在では多くの事業分野別のクラウドアプリが提供されています。サーバー等のハードウェアの調達が不要で、アプリを運用するためのマスター類を設定し、ネットワークにつながるパソコンがあればサブスク型の課金ですぐにでも始められます。

 最近はノーコード・ローコードという専門的なプログラム知識が不要な開発ツールの利用が拡がっています。一般社員が自分たちの必要な機能を少しずつ拡張しながら業務アプリを開発し生産性の向上を実現することが可能です。いきなりクラウドアプリを導入せずに自社にとって本当に必要な業務からノーコード・ローコードツールで小規模に導入し、現場で運用検証しながら最終的に自社に合うクラウドアプリを選定するという方法も有効です。

 

◆資金的な課題

 自社専用のプログラムを外部発注してDX化を推進する場合、多額の費用がかかります。自社は他社と異なり特有・固有の業務と思いがちですが、多くの場合は社内運用を少し見直することによりクラウドアプリで充分な効果が得られます。DX化推進の人材調達は期間を限定した外部専門家を活用し、ITツールはクラウドアプリを活用するというパターンで固定費化しない運用が可能となります。

 

◆モチベーションアップと人材育成

 自分と自部門の業務を効率アップするには連携する部門ともコミュニケーションを取りながら取り組む必要があります。そこでノーコード・ローコードツールを社員自身が活用することで業務ルールや運用方法をシステム化し、全社での生産性の向上を目指します。これらの過程が人材育成にもつながり、全社に貢献するモチベーションアップにもつながります。

 

合同会社ベストブレーン浜松では上記のようなDX推進課題を各分野の専門家がチームコンサルティングで支援しています。お気軽にご相談下さい。

 

合同会社 ベストブレーン浜松 小川 貞明  

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   1月   15日(月)   サイバー攻撃は他人事ではありません、事業継続計画を作成し万全な対策を!

◆静岡県事業継続計画モデルプラン第4版について◆

 

 サイバー攻撃は大企業だけが被害に遭うものではありません。中小企業でも実際に被害が発生しています。ある調査では、調べた30社中30社全てが攻撃を受けているという報告もあります。実際に攻撃されてしまうと対応コストは破格で、復旧費用は1,000万円、お詫び状費用500万円、損害賠償は5,000万円掛かるというサイバー保険の試算もあり、事業の継続を脅かすものとなります。

 これらの状況からも、中小企業の経営者は、事業を継続するために「サイバー攻撃対策」を自らの意思で決定し、対策活動を先導する必要があります。

 「まだ取り組みをされていない」「進め方に困っている」または「対策を強化したい」などの企業の方々は、サイバー攻撃を事業継続の脅威として考え、事業継続計画の作成や見直しを行ってみてはいかがでしょうか。

 「静岡県事業継続計画モデルプラン」が9年ぶりに改訂され第4版になりました。サイバー攻撃の対策を進めるうえで非常に参考になるモデルです。作成や展開セミナーなどをお手伝いさせていただく機会があり、BBHの今回の活動報告は、この第4版の内容を簡単にご紹介いたします。

 第4版の改定は、自然災害だけでない複数の脅威(マルチハザード)を事業継継続の対象とすることを推奨し「サイバー犯罪」の記載が追加されています。

 

 

1.モデルプラン4版概要

(名称)静岡県事業継続計画(BCP)モデルプラン第4版

    ―BCMで組織を強くしよう―

(策定)令和5年10月

(特徴)

局地的な豪雨や台風などの風水害の頻発、新型コロナウイルス等の感染症の流行を踏まえ、最新の知見や情報に更新したことに加え、新たに、感染症やサイバー犯罪等のマルチハザードに関する緊急時の対応を追加しました。そして、BCPを平常時の経営や業務に活かし、組織体質の強化を図るBCMの考え方を徹底出来るように、全体構成や作成様式の工夫、入門編との整合性に配慮しています。

※静岡県HPの「静岡県事業継続計画モデルプランについて」より引用 

このサイトから静岡県が提供している各種モデルプランがダウンロードできます。

https://www.pref.shizuoka.jp/sangyoshigoto/kigyoshien/1046789/1046792/1043017.html

【サイバー攻撃のイメージ】

【静岡県事業継続計画モデルプラン本編 表紙】


2.マルチハザード (本編P53 6章 マルチハザードへの対応)

 

 

 マルチハザードの考え方は、地震や風水害など自然災害に対する脅威だけで無く、感染症、サイバー犯罪など自社の事業継続に影響を与える複数の脅威(マルチハザード)を考慮し対策を検討することです。

【マルチハザードの考え方】


3.サイバー犯罪について (本編P56 6.02 サイバー犯罪等への対応) 

 

サイバー犯罪では、犯罪を回避する対策(自然災害の場合は減災対策)と、犯罪が実行された際の対策(自然災害の場合は代替対策)を考える必要があります。犯罪を回避できず攻撃を受けた際は、代替対策による対応を行い事業の復旧を試みます。(バックアップからデータを戻すなど)

【サイバー犯罪(攻撃)の対策整理表】(本編P56)

 左から右へと時系列に合わせて、縦の経営資源毎の対策・行動が整理されています。

 

・経営資源エリア

サイバー犯罪で影響を受ける(ソフトウエア)(ハードウエア)(情報)と対策に必要な(ヒト)の資源で分類されています。

・事前エリア

オレンジ⇒攻撃回避対策

グレー ⇒代替対策

・感知エリア

攻撃を受けた際の状態

・初動エリア

被害の拡大防止、二次被害の防止の行動

・事後エリア

グレー⇒代替復旧の対応 

黄色 ⇒再発防止の対応(減災対策)

【サイバー犯罪(攻撃)の対策整理表】



ベストブレーン浜松では、事業継続計画のご支援も致しております。

どうぞお気軽にお声掛けください。

文責;大竹秀昇